第9章 聖騎士
一方で、フールは任務が一段落ついたので、休暇をもらっていた。
先日の聖騎士の就任で本部に訪れたときにメフィストに、次に休暇があれば日本に旅行に行くと約束をしていたのだ。
今日から3日間楽しみだ!
久しぶりに訪れる日本はどうなってるかな?と期待に胸を膨らませていた。
簡単に荷造りを済ませてポケットから鍵を取りだし扉を開けた。
正十字学園町…。
日本ってこんな感じだったけ??
ここがメフィストの町だから…??
なんかすごい……
時計台の鐘が鳴りメフィスト人形が出てくる。
フールは驚いてたたずんでいた……。
一通り町を見て回った後、メフィストの待つ理事長室に着いた。
ノックをして扉を開けるとメフィストは座っていた。
「はい、どうぞ………おやっ!?いらっしゃいましたか…もうそんな時間だったのねですね!いや~仕事に集中しすぎましたな☆」
ソファーには誰かがいた気配がする。
『あっ…忙しかっ…』
質問をするのと同時に奥の扉から男が出てきた。
「はぁー?お前なにいってるんだよ!殆ど俺がやったじゃねーか……ぁ?!」
『……誰??』
「お会いするのは初めてでしたかなこちら聖騎士になられた藤本獅朗です。藤本こちらが、あのグランツフールです。」
『あのってなによ??
………あー悪魔のこと??』
フールはうっすらとした笑みを浮かべながらゆっくりと藤本に歩み寄る。
腕を少しあげれば抱き締められそうなほど近づいてきた。
その身長の差により藤本を見上げている。
「…!?///」
『はじめまして…。フールです。聖騎士様には、私の全てを知られちゃったんですね………過去だけじゃなくて…
…今の私の全ても知りたくない…?……』
息のかかるほどの近さで妖艶な笑みを浮かべ潤んだ瞳で真っ直ぐと見つめてきた。
…あぁ………
……あの時の瞳だ…………
そのアメジスト色の瞳に釘付けになり動けずにいた…。