• テキストサイズ

【青の祓魔師】悪魔に落ちた瞳

第8章 開幕



「…あ………あぁ……………」


フールの手に力が入り、食い縛った歯はギシリと鳴り、剣を握りしめ母さんの前に向かい合う。


『かあさ…』

そんな我が子に銃を向けなんの躊躇いもなく発砲してきた…


『くっ…殺るしかない…のね…』


物陰に隠れながら銃弾をよけ走り出した。

そのままの勢いで母に斬りかかるが、祓魔師の中でも強かった母さんは素早く避けられた。


後ろに回られ銃のグリップで背中を殴られた。


『くぁっ、母さんの場合は身体能力そのままなのね。っ………さすが母さんだわ…』


母さんと向かい合い銃撃を剣で流し攻撃をする。


お互いに一歩も譲らない交戦が続いた。


昔、幼い日の父さんと母さんと一緒に訓練していた日々を思い出す。


フールの目にうっすら涙がにじむ。


『母さん…今助けるから…ね』



フールが考えていたその一瞬の隙で、彼女の銃撃はルナの脇腹に命中した。



ぅぐっ!

柱の影に隠れた。


息が上がり、脇腹を押さえる。


『…ったぁ……これまで…ね…』



隙をみて母さんに抱きついた。


母さんの耳元で囁いた。


『母さん…父さんが待ってるからね。………今までありがとう。』



ズシャッ!



彼女の血が剣から滴る。


その血はフールをも濡らした。


両膝をつき、そのまま抱きめ続けた。


…あぁ、あのときのキャンドルの香りがする…


父さんのところに行ってたんだね…。


母さんの亡骸をそっと自身の横に寝かした。



ハァ…くっ、傷が………。



脇腹を押さえて息を整えていると教会の外から相当数を伺わせるほどの唸り声が響くのが聞こえた。


/ 285ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp