第8章 開幕
ドーン!
背後から巨大な屍人が現れた。
『何この大きさは!?』
屍人が二人をめがけて拳を振り下ろした。
二人は地面を蹴り瞬間にかわした。
二人のいた地面は大きな裂け目になっていた。
ぐぐぐぐぅぅ……ぅぅ……
唸りながら襲ってくる。
ロイが、銃を撃ち込んだが巨漢ゆえ脳幹までには至らない。
「くそっ、ダメかっ!」
ロイが発砲し終わるのと同時にフールは首狙い斬りにかかる。
『炎舞』
炎を纏った斬撃が放たれる。
敵はよろけ膝をついたが、すぐに傷は再生しかけている。
『何回か同じところを狙わないとダメみたいね。』
「なんなんだよこいつ」
襲いかかる敵の攻撃を避け続ける。
『屍人ってこんなになるの?』
「でかい割になんではぇーんだよっ!」
うぐがぁぁぁ
『っ!まだ他にも居たのね… 炎・鎌鼬!』
炎をまとった斬撃が舞う。
屍人の腕が落ち怯んだ。
よし!もう一発!地面を踏みしめ攻撃を仕掛けようとしたとき足元が滑った。
『わっ!?』
ここの広場は息絶えた人々や屍人の血で染まっている。
『はぁ…足場が悪い…こんなので…2体も…』
いつしかフールの来ている常服はこれまでの戦闘もあって血で紅く染まり重さも増していた。
『…ふぅ…手強いっ………えっ?!』
1体の屍人が落ちていた剣を拾った。
!?
まさか…
武器を使うの??!…
剣を振り下ろすと斬撃が飛び近くの建物が壊れた。
『なんて力なのよ…υ』
素早く物陰に身を潜めた。