第8章 開幕
広場に向かう途中の通りには死体の数が増えていった。
所々に建物も壊れている。
まさかっ……
『母さん!?』
フールの家は半分、吹き飛んでいて中が見える状態になっていた。
半壊の家の中に駆け込んだ。
『母さん!いる!?』
しかし、母さんの姿は見えなかった。
『どこに…………あっ父さんのお墓!』
家から飛び出しそのまま広場まで駆けた。
モチーフの不死鳥、青龍、近くの建物が壊れている。
あのときの爆発はやっぱりここだったのね……
大きな爆発があったことがわかる…
地面には血が広がり人がバラバラになっている無惨な光景が広がっていた。
『…な…に…これ………ここで何が起きたの…?』
呆然と立ち尽くしていた。
その時
ルナはなにかが近づいてくる気配を感じ双剣を構えた。
……。
「フール!」
『ロイ兄さん!良かった!無事だったのね!』
「いや………」
『ロイ兄さんのパーティは?』
ロイは首うなだれ拳を握りしめた。
「あぁ… こんなに多いと身を守るので精一杯だった………あいつら一般人に襲ったかと思ったら喰い始めた。今度は祓魔師ばかり狙って襲ってきやがって…俺は…自分ばかりで………助けられなかった………くそっ!!」
『そんな…助かった町の人たちはいるの??』
「あぁ…うまく逃げてれば教会に避難してるはずだが…こんな状況じゃみんな無事だかわからねぇ。お前こそパーティは?」
『….。助けられなかった……』
「そうか…」
沈黙が二人を包んだ。
『とりあえず教会に向かった方がいいね。そうだ、母さんを見なかった?』
「いや…見てないぜ。家にはいなかったのか?」
首振った。
「そうか…おばさんなら大丈夫なんじゃないか?最近現場には出てなかったけど、もとは強いからな…」
『そうだといいんだけど…』