第6章 序幕
ロイ兄さんからもらった包みをそっと開け始める。
現在は男女関係なく大切な人に感謝や想いを伝える日になっていた。
もうそんな時期か……。
窓の外の賑やかな声に思いだす。
『もうすぐ1年か…』
去年。
私は当主として祭りの準備をしていた。
忙しいこの時期、任務に出れる人手が普段にも増して足りなく父さんと母さんは珍しく二人で任務に出ていた。
その任務で父さんは母さんを守ろうとして任務中に亡くなった。
2人揃えば最強など言われていただけあって誰もが父さんの死を受け入れられなかった。
誰もがその早すぎる死を惜しんだ。
その時の詳細を母さんは誰にも話そうとはしなかった。
父さんが亡くなってからは明るかった母は少し影を落とすことも多くなった。
お祭りには家族でよく行ったこともあった。
この日が近づいてきて余計に寂しいのかここのところ母さんは家に籠ったままだ。
『あっ可愛いキャンドル…。』
……色々思い出しちゃったな。
…あとで町で何が母さんにもプレゼント探そう。