第24章 覚醒
次の日…
今日は日曜日。
礼拝があるため朝から熱心な信者が集まってくる。
雪男の引っ越しの日と重なってしまった。
獅郎を中心に神父たちは礼拝で手が離せない。
フールは保護者変わりに引っ越しの業者と話している。
雪男は部屋で荷物の中身を業者と最終確認。
バタバタと荷物を運びだし、トラックに積み終えあっという間に出発した。
午後には荷物が着いてしまうため、雪男もそのまま出発する。
『あれ?燐は?』
「たぶん…まだ寝てる」
『は?なにやってんのあいつ!』
バタバタと燐の部屋に向かう。
扉を明けて燐を起こす。
『燐ー!雪男出発しちゃうよー!』
「あ~?う~にゃうにゃ…」
全く起きない燐…
「フール。いいよ。会えなくなるわけじゃないし…」
『ったく…』
雪男はその場にあった紙でサッサっと手紙を書いて机の目立つところに置いた。
「これで良し」
『はぁーυ良しじゃないけどねぇー』
2人は燐の寝顔を見てからクスクス笑いながら部屋を出た。
『じゃっ、いってらっしゃい。』
『雪男の家はここなんだから。遠慮なく帰ってくるんだよ』
「うん…ありがとうフール、行ってきます」
手を振り見送る。
………
……
フールは食堂で昼食の準備。
燐んが起きてくる。
「雪男は?」
『もう、出発したよ?机の上に手紙置いてたけど見てないの?』
「…見てない…」
『じゃー食事終わってからね。燐、手伝って』
「おう…」
獅郎たちの分も作り2人は先に昼食を済ませた。
『じゃー私は帰るね。燐、焦らなくていいから自分にあった仕事見つけよう!大丈夫!絶対見つかるから、ねっ!』
「あぁ…頑張るよ…」
燐の頭をクシャクシャに撫でる。
「止めろよ~」
にこりと笑って帰っていった
燐は昼食を食べて部屋に戻る。
机の上の置き手紙を見る
「父さんにこれ以上心配かけないでください、か…」
ため息をこぼしながら窓の外を見た…。