第24章 覚醒
「お、帰ってきたか」
「あ。さっきの…」
「先ほどはお世話になりました…」
「怪我は?」
「お陰さまで少し擦りむいただけで…」
「良かったな…」
「まったくこの子は小さい頃からそそっかしくって階段から落ちたり…」
「違うの!私をいじめるのは悪い妖精さんが…」
『悪い妖精さん?』
ゆいの近くまで移動をし目線に合わせしゃがみこみ話を聞く
「うん…夜になると私の部屋に来ていたずらばっかりするの…」フールは、ゆいの頭にポンと手をのせる。
『そっかぁ….ゆいちゃんはその妖精さんに凄く好かれてるのね…じゃあ…』
慌てた様子で父親が話を遮る
「すみません、この子は昔から空想ばっかりでいつも…」
『あ…お父さん…』
「なんで信じてあげねーんだ!!!親に信じてもらえなかったら誰を頼れば…」
『燐…』
「燐!」
燐の頭をはたき止める。
「痛って!」
フールはニコリと笑ってからポケットにしまってあった小瓶を渡す。
『これ四つ葉のクローバーのお守り。もっているだけで魔除けになるよ』
「ありがとう…」
獅郎もゆいと目線を会わせてしゃがみこむ。
「お前はお父さんとお母さんがいて幸せだぞ本当に苦しいときは‘助けて’って頼ればいいんだそれでもダメな時は祓魔師(オレ)の出番だ」
クシャっとゆいの頭を撫で、そのまま父親を見上げ優しく語りかける。
「けして娘さんを責めないでください。彼女が一番頼りにしているのはあなた方両親ですから…」
フールと獅郎は手を降って親子を見送る。
親子はペコリとお辞儀をして帰っていった。
燐は少し納得いかなそうに不貞腐れている…
「あれで納得したのかよ…」
『燐…』
「お前が他人に説教するなんて100万年早い!燐お前は、明日から外出禁止だ!」
「は?なんだよそれ!」
「あとこれ!バイト先の店長が持ってきた請求書だ!お前が壊した物のなっ!」
「うげっ!?」
「燐!お前はすき焼きなしだ!」
「そんなぁ…」
『ははっ、残念だったね』
燐の首に腕を回して頭を撫で回し、髪の毛はグシャグシャに…
「フール!何すんだっよぉ~υ」