第24章 覚醒
燐の手当てを終えて2人は食堂へ。
そこには獅郎以外の神父3人が朝食の準備を終えていた。
それぞれが席に着き、最後に遅れてやって来た長友が座る。
祈りを捧げ食事がはじまる…
「これ、商店街のバイト募集してるんだって」
「何を勝手に!」
「さっき電話してたら、今すぐ面接してくれるてさ」
神父の丸田と和泉がチラシと既に書き終えた履歴書を渡してきた。
「行けよ。俺のスーツかしてやるよ」
食事を終え、経堂はスーツを燐に渡した。
そんなに神父たちの行動に少し嬉しそうな燐は素直に受け取った…
「……んーしょうがねーな」
部屋でスーツに着替えるが、ネクタイの結び方がわからず諦めて部屋でを出る。
修道院から庭へ出ると門の前で獅郎と見かけない親子が立っていた。
ちょうど話を終えたところだったようだ。
親子を見送ったあと振り返り燐に気付いた獅郎。
「どーしたんだ?その格好」
「やっぱ、面接行こうと思って…借りたんだ。少しはまともに見えんだろ?」
少し照れ臭そうに話す燐に獅郎の頬が少し緩む。
「……そーだな。ネクタイはどうした?」
「今はこれが流行りなんだよ!」
「クックック嘘つけ。結び方知らねーんだろ?俺に貸せやってやる」
「え?」
「襟立ててボタン絞めろ………ったく、図体ばっかりデカくなりやがって」
獅郎自身もあまり、スーツを着ないせいか少しぎこちない手付きでネクタイを結んでいく
「小っちゃい頃は‘父さん父さん’って、そりゃかわいかったのになぁ?」
「いつの話してんだ…!」
「大人になってかわいかったら気持ち悪りぃだろ!!」
「大人!?え?、どこに大人がいるんだ?ニャハハハハ!!」
「うるせえーー!お前もなっ!」
「おらできた!」
ーバシッー
燐の背中を力強く叩いた
「くやしかったら、少しは俺に成長のほどを見せてみろ!」
「ナメやがって…!言われなくたって見せてやるよ!目ェかっぽじってよく見てろクソジジイ!!」
「目はかっぼじれないけどな、」
門を過ぎたとき、燐は虫のような黒い影をスッと避ける素振りを見せる…
「!?」
その姿に獅郎は驚きを隠せなかった…