第23章 クロ猫
いつもと変わらずフールは教会へ通い双子に会いに行く…
裏口の扉を開けると料理を並べている燐が駆け寄ってきた。
「フールー!」
『燐おはよー。よしよし今日も美味しそうなの作ったねー』
「美味しそうじゃなくて美味しいんだ!なぁなぁ!今日は何をする!?」
『そうだねっ』ニコッ
『んー何をしようかなー?一緒に考えようね♪』
「おう!」
獅郎が部屋の奥から姿を見せた。
「おぅ今日は朝から悪いな、助かる。」
『気にしなくていいよー燐と遊ぶの楽しいし、あ、雪男おはよう!』
「おはよう」
「お前、朝飯は?」
『ん、私は大丈夫。コーヒーだけ貰えると嬉しいなー』
「おう」
獅郎は飲み物を用意している。
燐と雪男が席に着き朝食を食べ始めた。
『2人とも学校楽しい?』
「ぉっおぅ…」
『雪男は?』
「それなりに」
『そっか良かった』
フールは度々教会に通っている。
双子に会いたい、遊びたいという理由が主だが、ちゃんとした理由もあった。
幼い頃から祓魔師を目指している雪男。
燐にバレないように訓練をしたり。
才能、努力もあり、小学生ながらにして、候補生になった。
候補生になったことにより現場に出向くことが増えた。
教会の牧師たちが保護者兼教師として任務に行くことも度々ある。
その時は燐と教会で留守番をしたりしていた。
今日のお留守番もいつもの光景だ…。
悪魔の力を封印しているとはいえ燐は産まれ持っての悪魔の力が宿る身体なのだ。
暴れだしたら止めれる人は限られている…
身仕度が終わり獅郎と雪男を見送るため教会の正面門まで出る。
「じゃー、今日はよろしくな」
『はいはい、こっちはなにも心配ないから。雪男、行ってらっしゃい』
「行ってきます」
『獅郎とゆっくりしておいで~』
雪男に手を振る。
照れながら小さく手を振り替えしてくれる雪男が堪らなく可愛い!
「なぁなぁ!フール……」
隣で目を輝かせて見上げながら必死に話してくる燐もまた堪らなく可愛いのだ。