第22章 決戦
『来てくれて良かった。
少し…見失いそうになってたし…。ねっ』
ニコッと満面の笑みを見せた。
『飲まれそうになるなんて…まだまだだなぁ…』
メフィストはそれを見てフッと優しい笑みを浮かべ頬に手を添えた。
その手の安心感にフールは頬を擦り寄せ。
"ーアリガトー"
聞こえるか聞こえないかの小さな声で口ずさんだ。
「………そうですね……あとは、あの中ですか?」
上目使いでメフィストを見つめる瞳はいつものアメジスト色に戻っている。
『うん…そうなんだけどね。自由に動き回ってるマルバスは何がしたいんだろう?たぶんロイはあの中にいるだろうし…』
獅郎は煙草を咥えて火をつけ、ふーっと煙を吹いた。
「マルバス、アイツは何だかんだで戦いたいだけじゃねーの?殺そうとはしてこなかったし」
『そっか…でも、その怪我で本当に行ける?メフィストに任せても…』
「こいつの力なんか借りなくても…と言いたいが今回はそうだな…メフィストがいれば少しはあいつとも話せる余裕があるかも…「え?素直?何だか怖いんですけど…」」
メフィストは素直な獅郎の発言に鳥肌が立って一歩引いた…
「早く終わらせてーだけだよ!」
わちゃわちゃとした2人のいつも通りのやり取りにルナはお腹を抱えた。
『はははっ。本当、早く終わらせたいよね。』
涙をぬぐい。
伸びをした。
『ふふっ。んーーーよしっ気分転換も出来たし、じゃー私はロイと話してくるよ。』
「私が代わりに行ってもいいですよ?」
『ううん、いいのちゃんと終わらせてくるから。』
「まぁ…そうですね。しっかりとケジメ着けてきてください。」
『はーい』
軽い返事をしながら、3人は先に進む。