第21章 再開
目が合いニヤリと笑った屍人は持っていた左足を投げ捨てて勢い良く襲いかかってくる。
水龍剣を構え、勢い良くも流れるように優しく振るう。
ー潺湲センカンー
サラサラと流れる水に屍人は飲み込まれ血にまみれていた姿は綺麗に洗い流される。
水の中でもがく屍人に一振り…
静かにその場に倒れた。
その姿をみたフールはぐっと気持ちを堪えた。
『先に進みすぎた…戻ろう…』
ーーーーーーー
急ぎ戻ると屍人がシルフが戦っているのが見えた。
『ごめん、今戻った。あれは…』
「フールさん!そいつは!」
『イズミ…だね』
使い魔と戦うそれは祓魔師の服を着ている。
「一緒にいた祓魔師は喰われました。あいつ強くて…」
『そっか…遅これ早かれこうなるとは思ってたから一緒にいたんだけどなぁ。私のせいだ。ごめんね。』
背筋がゾクリとするほどの気配を放ちフールの瞳が深紅に染まる。
その瞳はイズミの動きを追っていた。
威圧感に押されながら動きが止まる。
『あ、戦う?』
こちらを向くとは思っていなかった手騎士はその瞳に吸い込まれそうになる。
『あなた、まだ動けるの?』
口調の違いにも驚き返事が遅れる。
「は、はい、応戦します。」
『じゃーいくよー』