第21章 再開
シルフに気を取られているイズミの背後に回るフール。
跳び跳ねると同時に剣を引き抜き一気に振り落とす。
寸前で気付いたイズミは上手く身を反らしたが片腕が切り落とされた。
その切り口には微かに火が残り焦げている。
「うぉ"ぉ"お"ぉ"ぉぉ」
それをみて咆哮を上げるイズミ。
すぐさま近くに転がっている屍にかぶり付いた。
腕は戻らないようだが、明らかにその雰囲気は変わった。
『あなたはもう、拠点に戻りなさい。
これ以上はムリだから。
残りの祓魔師にはここに来ることを禁じて。ここからは悪魔の私なら問題ない』
「は、はぃ…」
『安心しなよ。後ろには獅郎がいるから。獅郎にもそう伝えて。』
祓魔師は腰が引けながら来た道を走りだした。
『これで人間はもう、いないかな?』
イズミはフールが祓魔師と話している間に姿を消した。
『素早いなぁー…けど逃がさないよー』
そのままイズミを追った。
ーーーーーーー
激しい戦闘があったのか街並みはおろか地面も所々砕けている。
そこにうつ伏せに倒れピクリとも動かない獅郎
「んーまぁまぁじゃったの。」
獅郎を背にしてゆっくりと歩きだす。
「さて。ここにはあやつはおらぬか。
すれ違っちまったかのぉ………
つまらん。
……やはり戻るか…」