第21章 再開
ーーああ、あんないい天気だったのに。ーーー
空は不気味なほどに暗い。
辺り一面に立ち込める煙がまるで濃い霧のように視界を阻む。
それは霧とは違い煙と匂いで、息苦しさも感じる。
数人の手騎士がシルフなどそれぞれの使い魔を呼び出し風を起こし煙を散らす。
獅郎はそれぞれに指示を出しながら早急に町内の中心部へと移動を進める。
立ち込めていた煙が無くなったそこには辺り一面に倒れている人々。
動けなくはないけど今回の祓魔師たちではどうにかできる人数ではない
呻き声をあげてもがき苦しんでいるひとも…
『すぐに救護を!』
「「「はい!」」」
祈りを唱え浄化し続け一人一人に声をかけて生存を確認していく….
『この数だともっと早くから相手は動いていたみたい……』
「あぁ…神社はまだこの先だったよなぁ」
獅郎が動きを止めてタバコを咥え火をつける。
「フール。お前は先いってろ」
獅郎は銃を取り出し構える。
微かに聞こえていた苦しむ声は呻き声に変わる…。
ヒタヒタと人とは違う足音が近付いて来る気配が。
『了解。獅郎、死なないでよ?』
「誰に言ってやがる」
『イズミ!いくよ。』
「わかりました!」
倒れていた人々が立ち上がり囲まれる。
掴みかかろうとする屍人を祓い、フールとイズミと数名の手騎士をつれて風起こし煙を散らしながら共に先へ進んだ。
バンバン!発砲音が響く。
フラフラと立ち上がった人たちは屍人となり近くにいる者を互いに力を競うように喰らっている。
そして勝ち上がるものは体が一回り大きくなり数を減らしていく。
バンバン!
「簡単には祓えないヤツもいるな。おい!出きるだけ喰わせるなよ!」
「しかし、数が多すぎてキリがないですね」
詠唱騎士が祈りを唱え広範囲に動きを封じる。
すかさず、騎士が切り付けていく。
屍人は皆同じ方向へと向き呻いている。
‘ーーやはり本殿にいこうとしているのか?ーー’
バン!
「ふぅー」
タバコの煙を吐き出す。
動きを防ぎきれなかった屍人たちが、向かってくる。
「さっさと終わらせますかねっ」