第21章 再開
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薄暗い部屋の中に浮かぶ二人の人影。
「早いが始めよう」
カッカッカッと笑い声をあげるマルバス。
「こんな愉しいことは久々じゃな。
こうウズウズする感覚のぉー。カッカッカッ、派手に暴れくるか」
伸びをしながら動き出した。
「約束は覚えてるか?あいつは殺すなよ」
「わかっとる、わかっとる」
マルバスは正面を向いたまま動きを止めた。
「なんだ?」
「人同士で殺し合わせるとは…
人間の考えることはやはり、わしらとは違うようじゃ…
……あぁ、もう人ではなかったか」
マルバスは笑みを浮かべながら姿を消した。
ーー楽しい…?そうだな。ーー
あのとき感じた、あの感覚。
もう一度。
泣き叫ぶ声…
濃い鉄のようなあの匂い…
途絶えていく呼吸…、
絶望に満ち溢れ震えていた空気。
そして音がなくなる…
ロイは身震いする。
あぁ。
もう一度……
フールに絶望を。