第5章 就任
その後は父さんと一緒に参列者に挨拶に回り1日はあっという間に過ぎた。
『ふぅーつかれたぁ』
全てを終えたやっと一人になれたフールは教会の屋根の上に座って月を見上げたいた。
消えそうに儚い月の光が、フールの顔をそっと照らし、その美しさを増していた。
「……でわ。私の腕のなかでゆっくりと休んでください☆」
背後からいきなり現れたメフィスト。
『えっ!?あっ!メフィスト!ビックリした』
「今日は式典があったんじゃないですか??全く…貴女が、呼んでくれないので、自分から来てしまったじゃないですか…貴女はいつも…………」
なにやら、ぶつぶつと文句を言って不貞腐れている。
『ごめんね。でも、見てくれてたでしょ?知ってるよー近くに気配感じてたし。ありがとう。』
花の咲いたような笑顔にメフィストは思わず赤面した。
「っ…///。」
「もちろんです♪貴女の晴れ姿を見ないなんて勿体無いじゃありませんか?」
『そうかな?服が正装なだけで、ほかはいつも通りだよ?』
「貴女という人は…その美しさに気づいてないのですか?悪魔をも惑わしていると言うのに…」
???首をかしげるフール。