第20章 獅子島
『ありがとう…』
「いえいえ主人を守るのは務めですから」
『ふー。そう簡単にはいかないか…』
「しかしあんな攻撃を食らいそうになるなんて全く…鈍ってるんじゃないですか?」
『あースミマセン…υ』
『さぁて、本気だすよ?』
フールが腰の剣をもう1つ開放して2本を構える。
「!?おぬしら…はっそうかそうか…愉しいわけよのぉ…」
その姿を見て戦意の無くなるマルバス。
「やめだ…」
動きを止める。
『やめ?』
「もっと殺りあいたいが今日は終いじゃ」
『何をいっているの?いまここで決着をつけるわ!』
フールは攻撃を仕掛け飛びかかる。
しかしマルバスは距離をとり続ける。
『どういうつもり?』
「カッカッカ!なに、明日になれば全て解ることよ。」
間合いを取り向き直る2人…。
『明日?』
「あぁ明日だ…」
メフィ犬を睨み付けるマルバス…
「「………」」
『待て!』
不適な笑みを浮かべて…
マルバスはそのまま闇に紛れて姿を消した。
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「イズミ?大丈夫?」
フールの持ち合わせていた簡単な応急セットで処置をはじめる。
「っ……あっ……また、助けられてしまいました…すみませんお役に立てなくて…」
『そんなことないわ。これだけの傷なのに…さっきの援護かなり助かったんだからw』
訓練を詰んだ祓魔師なだけあり受け身を取れていて吹き飛ばされた一撃では目立った外傷はない…
「すみません…」
『だから謝らなくていいの。イズミは強いよ!』