第20章 獅子島
メフィストを見送り再び賑やかな広場に目を向ける。
みんな屋台を…祭りをとても楽しんでいる。
そんな姿を複雑な気持ちで眺め続けた…
そんな人混みの中に一人の若い男に目が止まる。
『!?ロイ…兄さん?』
お人混みの中ロイに似ている人を見つけた。
『待って!兄さん』
思わず走って広場に向かい名前を呼んだ。
『ロイ!ロイ兄さん!!!』
呼び止めようも声を張り追いかけた。
しかし、この賑わいで声が届かず人混みに紛れ見失ってしまった。
『って….こんな街中に堂々といるわけないか…』
時間を確認すると約束の2時間が立とうとしていた。
『そろそろ戻ろう….』
来た道を戻ろうとした瞬間目の前を横切る影。
『!?』
イズミの使い魔ー鴆ーがフールのスレスレのところを飛んで来た。
鴆は召喚された時の穏やかな雰囲気とは一変し鬼気迫る様子でフールの周りを飛び回る。
『何かあったのね…案内よろしく!』
クワァー!
一声鳴いた鴆。その後を追いかけた走り出した。