第20章 獅子島
フールは灯籠の並ぶ道を歩く。
メインの町とは違い観光客は少なく地元の人が多い。
すれ違う人たちはほとんどがこれから拝殿に向かうようだった。
上から見た感じだとイズミの向かった場所はここよりももっと人が少ないと思われる。
特に異変もなく歩き続けるフール。
途中で聞き込みをするとやはりここも新しいろうそくを揃えていると言うことだった…
この地区の少し開けた広場に着く。
そこは屋台などが並び先程とは比べ物にならないくらいの人手があった。
さっと避けるように屋台の合間の暗がりに身を潜め広場の賑やかな方を眺めながら考え込む。
ちょこちょこと足元をついて回るメフィ犬はお座りをしてフールを見上げている。
「???」
“明日の夜…ここの人たちも屍人になるなら対処を考えなきゃ…
さすがに私一人ではこんな広い島どうにも出来ない…”
『メフィスト。やっぱり明日は応援を頼もうか…』
「了解しました。手配いたしましょう。」
『今回の敵は傷を負うだけで命に関わる戦闘になると言うことを付け加えて参加してくれる祓魔師を集ってみて?』
「わかりました。早速戻って手配をしに行ってきます」
ポンッ☆
人間の姿に戻ったメフィスト。
フールの頭にポンと手を置いた。
「少し離れますがくれぐれも無理をなさらないように…
すぐに戻ります」
そう声をかけ近くにある適当な扉を探しに行ってしまった。
『…こんな危険な任務………
どのくらいの祓魔師が来てくれるかな…』