第20章 獅子島
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薄暗い部屋の奥
一段高くなった上座。
その床に大きな獅子が横たわっている
- - - -この祭りは楽しいのは楽しいのじゃ…
旨い飯、美味い酒何でも人間は持ってくるからのぉ- - - -
気だるそうに顔まで床につけお供え物を眺め
部屋の隙間から明かりが漏れているのを横で見る
- - - -しかし、毎年同じとなると退屈じゃ………
だからといって同じように
疫病を蔓延させるのも飽きてきた…- - - -
「だからこんな面白い提案をして来たのは嬉しかったのぉ…
さすが主様よ」
隙間から漏れて室内に入っていた光がほぼ無くなった
「さて…日も暮れた…そろそろ遊びに行くかの…」
のっそりと立ち上がり伸びをする獅子
一段高くなっていた床を降りた。
「何をしている?」
「??」
何の気配もなく突如声がかかる。
振り向くとそこには黒いパーカーに身を包み、腹の辺りにあるポケットに両手をしまっている男が立っていた。
「…そろそろ外に出掛けようかと…」
深く被っていたフードをとりお供え物を手に取り上座に上がりドカッと座り一口噛る。
「そうか…捕えた祓魔師は?」