第20章 獅子島
メフィ犬の態度に微笑ましくなりながら顔を上げればなんとも言えない空気が流れている…
ん? ん?
なにか不味かった??
この前のお兄さんとは違うって別に……
……………………
あ!
『えっ!?あっ!?そういうこと?今回は仕事できたんです。この人は相棒ですよ?』
おじさんと娘とイズミはポカーンとしている。
「やだ!よかった…勝手に勘違いして…なんかごめんなさい…」
謝罪をして娘は店内にのお客さんに呼ばれわたわたと戻って行った。
「はっはっは!そうなのかい?てっきり最終日は本命とやって来たのかと思っちまったよ。いけねぇ事ばらしちゃったかと焦ったぜ!はっはっはっ」
「………え?それって…僕がフールさんの恋人に見え…///////!?」
ボンっ!赤面。湯気がたっている。
「で?こんな時期にこの島で仕事とは半分サボりかぁ?」
と、気にせず話を続ける呑気なおじさん
『ちょっと厄介な仕事でサボれそうもないですよ。
…せっかくまたこれたのに…もぉ本当に残念で…』
クイクイ。
ズボンの裾を咥え引っ張ってくるメフィ犬。
『イズミ。先にお店に入っていて?ちょっとこの子を。』
「あっはい。解りました。おやじさん。お邪魔します。」
「おう!いらっしゃい!!」
店の裏側、人の気配のないところに移動する。
『なにか解ったの?』
「コホン。ベリアルに調べさせていたここの“獅子さま”の正体が解りました。“マルバス”….獅子の姿をした悪魔です。アスタロトの眷属でした。だからこの島にはもともと魍魎(コールタール)が多い理由はこれですね。あっ、人の姿をするのも得意みたいですよ?あの娘が言っていた祭り期間中に遊びに来ると言うことにも繋がります。」
店の外壁に背をもたれかけ腕を組むフール…
『じゃあマルバスは間違いなく今この祭りを楽しんでいるって事ね…』
「だと思います。」
『ありがとうメフィスト。ベリアルも仕事が早いねー本当に優秀だわ。』
「では!お団子を食べに行きましょう☆」
『メフィ…犬の姿ではお店の中に入れないよ?』
…ガーン…
目に見えて落ち込むモフモフの白い犬…
そんな姿も可愛いと思いながら頭を撫でる。
『お土産買ってくるから待っててね』
しょげるメフィ犬を置いて店内に戻る。