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【青の祓魔師】悪魔に落ちた瞳

第20章 獅子島



『あともう一つだけ…貴方たちのあとにもう一組送り出したのですが、会いましたか?』

「ぃえ…申し訳ありません…わからないです…」

『わかったわ。ありがとう…話してくれて…ゆっくり休んで…』

そっと労うように肩に手を添えてから踵を返し扉に向かい歩き出すフールと祓魔師。





頭を抱えうつむいていた下級祓魔師の雰囲気が変わる。

 
頭を上げたかと思えば唐突に医務官に尋ねた…


「フールという祓魔師は?どこにいる?……」

「ん?フールさん?今話してたじゃないか?」

手当てを止め椅子から立ち上がり声を張る。


「フールさん…!ちょっと待って下さい。」


『はい?なにか?』


医務官に呼び止められ振り返ると同時に……


ガタッ!


ドン!


「グハッ!」


鈍い音が響く。




立ち上がった医務官を物凄い力で払いのけている下級祓魔師。

鈍い音は医務官の壁に激突する音だった…

「『っ!?』」

あまりにも急な出来事にフールの横にいた祓魔師は一瞬動きが止まった。


しかし、直ぐにぐったりしてる医務官に向かって駆けだし手を差しのべた。


「、…大丈夫で…?…!!」

「邪魔だ…」


一瞬の隙に下級祓魔師に腕を捉えられ肉を噛み千切られた。


「う"わ"ぁぁ!ぁぁぁ」



その場に崩れ落ちる祓魔師。




クチャクチャと咀嚼をしながら…

何事もなかったように淡々とフールとの間合いを積めていく。



『…なにを…しているかわかっているの?』


フールは剣の柄に手を添え、いつでも抜けるように構える。



「…あの方が…時がきた。と…」


一言発し動きが止まる…


『?あの方?何を言っているの?…』



「んうっっグゥ……、、

  待っている…、がぅあがぁぁぁぁぁぁ」




苦しみだしフールに襲いかかる。



『!?』


咄嗟に攻撃を後ろに飛び避けたフールは青ざめる…



『これ…って……』


変わり果てた下級祓魔師の姿….



それはかつて見たことのある光景…



それはあまりにも鮮明に…脳裏に浮かんだ…



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