第20章 獅子島
ーーー数日前ーーー
上級祓魔師を含めたパーティを派遣してから数日が過ぎた。
どちらとも連絡が取れなくなった。
『流石にこの状況は…』
メフィストと今後の事をどうするか話し合わなくては…
考えながら廊下を歩いていると、後ろから走ってくる祓魔師がフールに声をかけた。
「フールさん!1人、1人戻ってきました!」
『えっ!?』
「怪我が酷いので今医務室に…」
『すぐに行こう!』
2人は急いで医務室に向かった。
ーーーーー医務室ーーーー
トントントン…
扉を明け中に入ると医務官に手当てを受けている下級祓魔師。
寝込むほどの重症ではないようなので一先ず安心した…
そっと近くにより声をかける。
『よく戻って来てくれましたね』
「いぇ…私なんて…」
『いきなりで申し訳ないけど、詳しく教えて貰えますか?また、改めてでもいいけど…』
「いえ!大丈夫です。」
医務官に目配せをする…
「傷はそう深いものはありませんので体は大丈夫ですよ」
手当てを受けながら下級祓魔師はゆっくりと話だした。
「私たちは命を受けてからすぐに島へ向かい…依頼主と会いました。
その時点では集落周辺に魍魎が多数確認されただけで特に大きな異変はありませんでした。
しかし、翌日悪魔が現れ負傷者がいるとの情報が入り、私たちは急ぎ向かいました。
そこにいたのは屍人(ゾンビ)数体。
そのゾンビとの戦闘は……。
かなりの強敵で…すぐに…みなっ……。
そんな中私は仲間に救われた…。
すみません。
襲われた辺りからあまり記憶がないのです。
どうやって救われたか仲間がどうなったか覚えていないのです。
気づいたらここに戻って……」
混乱しているのか頭を抱える…
その姿を見たフールはこれ以上続けるのを諦めた…