第19章 お出かけ
「綺麗ですよね。昔、この土地で疫病が蔓延したとき、ここの中心にあった小さな神社の神主が獅子様を祀ったところすぐさまに収まったと…。
その祖先を想い、鎮魂のため灯籠で供養するんです。それがこのお祭りなんです。
獅子様は獅子のお姿をしていますが、人にもなれるみたいなんです。
人に紛れてお祭りを堪能していらっしゃるとかも話があって…お連れ様のようにきっと素敵な人なんでしょうねぇ。
ちょっと夢があると思いません?
この灯籠も写真でも綺麗ですけど、実際に体感すると本当に凄いんですよ!
私本当にこのお祭りが大好きで大好きで、毎年楽しみで仕方ないんです!」
『素敵ですね…』
「すみません。つい話しすぎました////」
『いえいえ。お話聞けて嬉しいです!』
運ばれたお団子を2人食べながら店内の写真を眺め続ける。
「獅子に人…」
『人に姿を変えるとか…同類?』
「そうですね。今回、上空からこの島を見たとき神社の敷地が悪魔の紋章を象ったものでした。なので、階級持ちの悪魔で間違いないでしょう。しかし、階級は下ですね。まーったく覚えがありません。」
『はははそうなんだ。階級持ちの悪魔も結構いるもんね…』
お団子を食べ終わり、お勘定を頼む。
「節目の日じゃなくてもこの期間は町は祭りで浮かれているからなっ!楽しんできなっ!」
『ありがとうございます。行ってきますね♪』
ご主人とその娘さんに挨拶をして店をあとにした。