第19章 お出かけ
『わぁタイムスリップしたみたい♪』
まるで映画のセットの中にはいったような町屋が続く…
『ここ着物を着て歩くのも素敵かもね♪』
子猫のようにはしゃぐフール。
「これでどうです?」
ーーパチン☆ーー
一瞬で着ている服が変わった…
足元に小さな花柄があしらわれた小袖。
もちろん色はメフィストお気に入りのピンク色…
『わぁ!素敵♪ふふふメフィストはピンクじゃないのね?』
メフィストは濃紺の小袖に白い帯…
「貴方に合わせたらこっちの方がいいでしょう」
着物に着替えた2人は並ぶお店を見ながら散策をする。
隣で腕を組んで歩くメフィスト。
すれ違う人たちがこちらをチラチラと見ている。
いつもは陽気な彼がクールに腕を組んで歩く姿はいつもとは違い…
ボソッ『カッコイイ…///』
メフィストは小袖を纏ったフールが目を輝かせている姿を堪能していた…。
くじ引きに射的…。お面は獅子!?
見て回れば可愛いライオンから威厳のある獅子のものがたくさん並んでいる。
『ライオンばっかりだね。この感じってやっぱりお祭りだよね?』
「そう言えばこの島には毎年大きなお祭りがあると聞いたことがありますね。」
だんご屋の店先に1枚の張り紙が視界に入る。
『あっ今日だ…』
団子を焼いている主人が声をかけてきた。
「おや?知らないで来たのかい?」
『ええ…』
「今日は初日だからな。大体盛り上がってくるのは3日目からだな。今日の行事はシンプルだから静かなもんだよ」
『これで静かなの?』
何も知らない私たちにおじさんは興奮した様子で話し出した。
「見るだけでいいから中に入って写真見てきな!たくさん飾ってあるから!」
『見たい!せっかくだからお団子も食べていこう?いい?』
「そうですね。休憩しましょう♪」
一歩店の中に入れば過去の祭りの写真が、お店の中にところ狭しと飾られていた。
『凄い…』
「ほぅ…」
写真に見とれていると店員の娘さんがお茶を出してくれた。