第18章 子どもたち
西に陽が傾きだし、教会の中を赤く染めたその室内は幻想的でとても美しい…
吸い寄せられるように一番室内が見渡せる長椅子に腰を掛ける…
獅郎から連絡を受けて雪男はやはり魔障を受けていたという。
獅郎の提案もあり雪男は祓魔師になりたいと言ったそうだ…
「雪男が祓魔師か…フフッ」
ゆくゆくは祓魔塾に通うことになる…。
まだ小さい雪男を塾に通わせるのも大変だろうから当分は個人授業かなぁー。
そしたら私も何か教えてあげられるかな?
入りいろと思考を巡らせているとふっと横の本棚に置いてある一冊の絵本に目が止まる…。
絵本を手に取り読もうとすると、廊下の方から気配を感じる。
獅郎はいないはず…
『だれ?』
「「フールー!」」
『燐、雪男』
「今日、とうさんからフールが来るって聞いてたから!」
「どこにいたんだよ!探したぞ!」
「?なに読んでるの?」
『探してくれてたの?ごめん…これ?ここにあった絵本だけど読む?』
「「うん!」」
フールの左右に燐と雪男がちょこんと座る。
『ふふふっむかし、むかし………』
……………
………
……
『おしまい…この悪魔を忘れないために今では11年に一度この地域ではお祭りをやるんだよ?次は…2人が15歳になる頃だね。』「これが始まりなの?」
『そう…1000年前から伝わるお話しだって…』
目を輝かせる2人にフールはなんとなく質問をしたくなった。
『ところであなたたちならどうする?この悪魔に合ったら…その時どうする?』
「あ…僕頑張ってやっつける!」
『燐は?』
「うん!仲良くする!」
「え?」
「だってコイツみんなと楽しく遊んだんだろ?だったら友達じゃん!」
「友達って兄さん悪魔だよ?」
「友達ならやっつけない。仲良くする」
「でも、仲良くったって悪魔は悪魔なんだから…」
「仲良かったら悪魔でも友達だ。だからコイツいい悪魔」
フールは2人のやり取りを微笑ましく思いながらニコニコと聞いていると…