第18章 子どもたち
燐が幼稚園で子どもを殴ったらしい。
幼稚園にその上、園内で暴れ手がつけられなくなり獅郎が呼ばれた。
幼稚園着き先生に案内され中に入ってみれば気のたっている燐。
「燐くん落ち着いてこっちに来なさい」
「うるさい!くるなっこっちにくるな!」
身の回りに転がっているおもちゃを投げつける
「おっと」
「燐!」
「とうさん」
「自分が何をしているのか解ってるのか?おまえが殴った友達は病院で苦しんでいるぞ!」
「あんなやつ友達じゃない!!」
「なに?」
「あいつがわるいんだ…あいつが俺のことを悪魔だって……化け物だって悪口言うからっ」
「それでも暴力をふるったお前が悪い!」
更に物を投げつける燐。
そんな様子を見て小声で話す先生たち
「どうやったらあんな子に育つのかしら?」
「本当に悪魔みたいな顔をして…」
「下がっていてください危ないですから…」
幼稚園の先生達も燐を恐れる中、獅郎は燐に近付き思いっきり殴られながらも抱きしめる。
「うわぁぁあー」
抱き締められた燐は更に獅郎の体を殴る。
「グフッ……」
「!?と、とうさん?」
「………。なんちゃってウソー!あははは!ビビったか!?」
「え…」
獅郎はそのまま燐を強く抱き締める。
「聞け、燐。このままじゃお前いつか一人ぼっちになっちまうぞ。お前の力は誰かの為にもっと優しい事の為に使え。」
「……………」
「お前には将来、仲間にたくささん囲まれて、女にもモッテモテのカッコいい人間になって欲しいんだ」
「なんだよそれ……。
…どうすればそんな風になれるの?」と燐が問いかける。
「もがけ!人に優しくなろうともがいていれば、その内ふとふり返ったらいつの間にかそうなってるもんだよ」
燐は黙りこむ…。
「……ってダメだぁ」
獅郎は力強く抱き締めていたのがウソのように力無く倒れこんだ。
「やっぱり救急車呼んでくれ」
「とうさん!」
…………
……
…