第18章 子どもたち
ーー5年後ーー
~燐編~
朝早くから修道院のダイニングキッチンでお茶を啜るフール。
神父たちと和気あいあいとおしゃべり中…。
『今日は燐はバスじゃ無かったの?』
「雪男の具合が悪くてバタバタしていたら乗り遅れました…なので藤本神父が送っていってますよ」
そう。獅郎は今、燐を幼稚園に送りに行って留守。
主がいないことをいいことに神父たちも一緒にのんびりしている。
弟の雪男は昔から体が弱い。
さっき部屋を覗きに行ったら体調が少し落ち着いたのか気持ち良さそうに眠っていたので寝顔を見るだけにして今はここでのんびり…
起きたら何かご飯でも作ってあげようかな。
ガタンタッタッタ…
あっ…獅郎が帰ってきた。
『お帰りー』
「なんだまた来てたのか?」
獅郎の声を聞いてバッと動き出す神父たち…
小さな声で“フールさんまた…”何ていいながらそれぞれの仕事に向かっていった。
皆に手を振る。
「またあいつら巻き込んでたな?」
『んー?なんのことー?』
「今日はなんだ?」
『会いたかったから来ただけだよ?2人とも可愛いんだもん。』
「お前…暇だな…」
冷蔵庫に向かいお茶を取り出す獅郎
『!?暇じゃない!仕事を頑張って終わらせてきてるんだからっ!大変なんだよ!わかるでしょ?私の仕事相手メフィだし!』
「あー…」
『まっそう言うことで、私の癒し2人に会いに来たってこと♪燐は幼稚園で、雪男は寝てるし…今は暇だな…なにか手伝う??』
「そうか?じゃあ…」
修道院の電話が鳴る音がする。
少ししてから部屋に神父が入ってきた。
ガチャ…
「藤本神父…あの…コソコソ…」
「またかっ?ちょっと行ってくるわ」
『??え?、あっ、いってらっしゃい…』
獅郎は走って修道院を出ていった…
神父とフールは手を振り見送る。
『だれからだったの?』
「はい…幼稚園からで燐が暴れて手が付けられないから何とかしてくれと…」
『そう言うこと…』
「燐は感情がたかぶるとたまに手が付けられない事がありますからね…」
『あー…』
「あっ!でも、普段は本当に優しい子ですからっ」
『ふふふっ大丈夫、私もちゃんと知ってるから』