第17章 青い夜
扉を開ければ白銀の世界。
そのまま進み外に出た。
小屋の中に入るが中には誰もいない…
「どこに行った?」
外に出るとスノーマンがこそこそ動いているのが見える。
「藤本」
気づかれない様に目線で知らせるメフィスト。
スノーマンが走ってどこかに向かう。
頷き後を追いかける。
たどり着いたのは洞窟。
外にはもう一体のスノーマンがたっている。
獅郎を警戒していたスノーマンだが、メフィストと目が合うとサッと横に避けた。
そのまま洞窟の中へとへと進む。
そこには横になるユリその傍らにはフールがいた。
『メフィスト…?』
人の気配を感じ振り向いたフールは目に涙を溜めていた。
「獅郎…」
ユリは弱々しい声で獅郎を呼んだ近づいてみればユリの腕の中には2人の赤ん坊。
1人はスヤスヤと眠っている。
しかし1人は青い炎をまとっている。
「おまえ…その子たちは…」
「可愛いでしょ?青い炎を纏っているのは燐肌の白い子が雪男」
「生きて…強く…悪魔と人間が解り合えるって証明するために…」
ユリはそのまま力尽きた…
『ユリっ!』涙を流しながら手を握った。
「どうします?ヴァチカンは子どももろとも母親も殺せとの命令でしたが、手をくだすまでもなく母親の方は死んでしまいました。」
悲しむこともなく普段と変わらない様子でメフィストは話し出した。
「悪魔の力を受け継いちまった以上生きていても苦しむだけだ…」
倶利伽羅を鞘から引き抜こうと…
…………
『…!?』
2人は動きの止まった獅郎をみる…
「どうしました?」
獅郎の後ろに立つメフィストには何が起きたか見えなかった。
「こいつ、笑いやがった…俺がこれから殺そうとしているのに…」
「ハァイ?」
「こいつ…殺すのはやめた…こいつらは俺が育てる」
「っ!?」
メフィストは驚き獅郎の意外な言葉に笑いを堪えることが出来ない。