第17章 青い夜
「ぷっ誰よりも冷徹だと恐れられた貴方が悪魔の子を育てる?くふっははは…あーはっはっは無理に決まっている!」
あーはっはっはっはっは!
「やってみなければ解らないだろう!」
「なら私と賭けをしませんか?」
「もしこの子達を人間として育てられたら貴方の勝ち…悪魔として覚醒したら私の勝ちです」
「いいだろう」
「では!これは特別サービスです」
メフィストがパチン☆と指を鳴らすと赤ん坊が纏っていた炎が刀に移る。
「何をした?」
「悪魔の力をこの剣に封印したのです。常に青い炎が出ていたのでは勝負になりませんから」
「助かる」
「例には及びません。」
『………』
チラリと黙ったままのフールを確認したメフィスト。
「それではヴァチカンにはサタンの子を始末したと報告しておきましょう」
「ではまた…」
メフィストは後ろに手を組ながら先に出ていった。
『…良かったね…』
双子に囁くと笑みを浮かべていた…
獅郎はいつものようにたばこを吸おうとする。
が、双子をもう一度見てからたばこを捨てた。
獅郎とフールはそれぞれ赤ん坊を抱く。
森を抜け小屋の前まで着くと振り向き洞窟のある方角を向く。
「ユリは…ここの悪魔たちに本当に好かれていたのね…」
赤ん坊を抱き上げた後、森に住む悪魔たちがやってきてユリを任せろと言わんばかりに囲み弔っていた。
「悪魔が…意外だったな…ユリの言う通り解り合えるのかもしれないな…」
『獅郎…ありがとう』
「ぁあ?取り敢えず俺のやってる修道院で面倒見てやるよ」
『遊びに行ってもいい?』
「あぁいつでもこいよ」
『燐…雪男…またね…』
愛おしそうに双子に別れを告げ獅郎と共に新しい家へと帰っていった…
それからと言うと………
青い炎の夜が起きてから1か月……
増え続ける離職者に業務が一段と忙しくなっていた…
そんな中、フールは男所帯の修道院に預けられた双子が心配なのもありちょくちょく遊びに行っていた。
これもまた、藤本のところにばっかりいくフールにメフィ妬きもちを妬くこともさらに増えたとか…。