第17章 青い夜
暗闇の中フワフワと浮かぶ人影
“グッギャ!!”
“ァ"ア"ァァ!”
“ギャァァ!!”
叫び声が響きだす…
ーー“おやおや始まりましたか”ーー
ーーー回想ーーー
ホールを出て薄暗い廊下を歩く2人…
先に歩いている方が立ち止まり振り向く。
『メフィスト貴方は獅郎をお願い…』
マントを深くかぶる中から見つめる深紅の瞳…
『最悪な場合…サタンがユリを助けるためアッシャーに来ること…もしそうなったら…』
『獅郎は絶対に狙われるはず…』
『隙を与えない様に…今から起きることの情報を一切伝わらないように…』
自身の大切な者を失くすかもしれない覚悟…そんな決意に満ちた瞳が私を捕らえる。
私はその美しい瞳に吸い込まれる様に目が離せなくなる
「貴方が望むなら…」
右手をそっととり甲にキスを落とした…
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空に浮かぶ1人掛けのソファーに座りながら様子を傍観しているメフィスト。
ーー“やはりフールの言う通りになりましたね”ーー
青い炎が花火のように弾け燃え上がる…
ーー“”父上も派手なことをなさる…”ーー
まるで大地に青い花が咲き誇るかのように…
ーー“さて、動き出しますか”ーー
パチンッ☆と指を鳴らせばソファーは消え、その手にはピンクの傘がコウモリのようにパタパタと羽ばたきゆっくりと地上に降りていく…