第17章 青い夜
「フール?」
目を開けばフールが立っていた。
いつもと雰囲気の違うフールに少し戸惑うユリ
『遅くなった…ごめん…』
急いで縄をほどく。
今にも泣き出しそうなフール
『こんな状況で間に合わないかと思った…
良かった…間に合ったのはサタンのお陰だね…』
「フール…貴方も悪魔だったの?」
『そう。隠しててごめんね…』
シュルッと縄が解けると同時にユリがフールに倒れこむように抱きつく。
勢いでフールは尻もちをつく。
『!?』
「ううん。いいの…隠すの辛かったよね?フールはフールだよ。ねっ」
腕を緩め真っ直ぐと向き合い手が頬に触れる。
力無く差し出された腕には縄の後がはっきりとついている。
「フールの瞳。凄く綺麗ね…」
『…ユリ…』
グッと今度はフールから抱き締めた。
『ユリ…ありがとう』
『とにかく早くここから離れよう…あっちに扉があるからそこまで行ける?』
「んっそうね…」
良く見れば顔色の悪いユリ
『大丈夫!?』
「えぇ…」
お腹を抱え痛そうにしている
『お腹…痛い?動ける?』
「平気よ。ここから離れなきゃ…家に…帰ろう…」
『そうだね…』
ユリを支え一番近い扉を探し歩きだした。