第17章 青い夜
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フールの持ってきたたくさんのお土産を2人で片付ける。
『そう言えば相変わらず獅郎は説得しに来てるの?』
「うん…。毎回毎回ヴァチカンに戻れとかなんとかって…でもそうね…言われてみればここ1ヶ月くらいは来てないわ」
『そうなんだ。何してるんだろうね?』
「私はうるさい人が来なくて平和に暮らせてるけどねー」
お腹を撫でながら微笑む。そんなユリに歩み寄りフールもお腹を撫でて顔を近付けた。
『ふふっおチビさーん元気ーまたママに会いに来ちゃった。チビさんにも早く会いたいよぉ』
「ふふふフールったら」
『だって本当に楽しみなんだもん♪』
季節も進み冷え込む日が増えてきた…部屋の暖炉の火がとても温かく見ているだけで落ち着く…
“赤ちゃんを迎える準備もほとんどできたかな…ここで産むことになるだろうし…何か他には…”
考え事をしながら暖炉の火をボーッと見ていたがその横に目が止まる。
『ん?薪が少ないね。今夜は特に寒くなるみたいだからこれじゃあ不安だね。私集めてくるよ!』
「本当に?ありがとう助かるわ」
「私はお茶でも用意して待ってるね~」
『はーい』扉を出る
『うわっ寒っ!おっ?スノーマン?』
嬉しそうに手を上げてジャンプをしてアピールしている…
『一緒に行くのね?スノーマンが案内してくれれば薪もたくさん集まりそうだね!よろしくっ!』
スノーマンはまかせろっ!扉を言わんばかりに胸を張り足取り軽く前をずんずんと進んでいく。
『ふふふっかわいーな♪』
2人は森の奥に進んでいった…
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鼻歌を歌いながらキッチンに立ちお湯を沸かす
“お菓子を並べて…ティーセットは…”
ガチャ…扉を開ける音がしたので玄関の方へと向かう。
「ん?フール
?もう、集めてきたのー?」
そこに立っていたのは黒ずくめの男性が2人…
胸には正十字騎士団のバッジが光る…
「!?だれっ!!」
「ヴァチカンからです。枢機卿の命でユリ・エギン貴方をヴァチカンに連れて帰ります」
「いやよ!」
「無理矢理にでも連れて帰るよう指示されていますので…失礼します…」
「いや!やめてよっ!」