第17章 青い夜
『ただいまースノーマンが張り切っちゃって量がすごくなっちゃった…。』
扉を開けるが人の気配がしない…
『ユリ…?これは!!?』
部屋には用意している途中のティーセット、複数の人物が押し寄せてきたような足跡が残っている…
『これって…!?まさかっヴァチカンが動いた…!!?』
急いでヴァチカンに向かうため扉に鍵を挿し込む…
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ヴァチカンの廊下を走るフール…
“連れていかれるとしたら?どこ?枢機卿のところしか…”
ポンッとピンクの煙と同時にメフィストが目の前に現れた。
『メフィスト!なんでここに??…ユリ!ユリはどこ?!』
メフィストはフールの肩に手を置きなだめる…
「まぁ落ち着いて下さい。ユリは枢機卿と一緒です。」
「私は何か知っているのかと呼び出されたところです」
『なんで?メフィストは何も知らないはずでしょ?』
「藤本が任務を無視し枢機卿の娘と密会を続け、さらには孕ませたということで現在、投獄されています。」
『えっ!投獄って!』
「その間に藤本に接触していたのが私だけだったようで呼び出されました。」
『獅郎がそんなことするわけないじゃない!だって!』
「シッ!!ここではそれ以上は言葉にしないで下さい。」
とっさにメフィストはフールの口を手で塞ぎ、小声で言った。
回りのようすを伺いハッとしたフールは冷静さを取り戻し頷く。
『ごめん…』
「藤本は処分が下るまで…ということになってますから心配ないでしょう。」
「問題はユリの方です…」
『そうね…』
「ここで私たちが知っていることを話したら動きにくくなります。ヴァチカンがどう動くか少し様子を見ましょう…」
『わかった…』