第17章 青い夜
ーーーメフィスト邸オフィスーーー
扉をノックする音に返事をすればズカズカと入ってくる藤本。
机に向かったまま笑顔で藤本を向かえる。
ーククク…不機嫌そうで…ー
「お久しぶりです。なんだか最近忙しそうですな♪」
「忙しいというか……どーせフールから話聞いてんだろ」
ドカッとソファーに腰かけ煙草を取り出す。
「クククまぁ、そうですね。例のことは私もまだ、ヴァチカンには上げていませんのでご心配なく。まぁまずはお茶でもいかがですか?」
煙草に火をつけひと息つく…
「…フゥー…で、用事ってなんだよ」
「1つ頼みたいことがありまして。」
「…お前が上司なんだし、言われりゃやるしかねーだろ」
「よくお分かりで。藤本、貴方は京都に行って降魔剣、“倶利伽羅”を探してきてください。妙陀の本尊として大切に隠されているとは思いますが」
「降魔剣?」
咥えたままの煙草の煙がまっすぐ立ち上る
「ええ。特別な刀でしてね。確か、妙陀宗は山の中にいくつかのお寺があったと思います。それのどこかとは思いますが?」
「また面倒臭そうだな…」
「よろしくお願いします。おや?お茶はよろしいのですか」
立ち上がり扉をに向かって歩きだす。
「いらねー。さっさと済ませてくる」
手を振るメフィスト
「では」
ーーー数週間後…ーーー
怪我して帰ってきた藤本。
荒々しく扉を開け入ってくる。
「メフィストてめー!適当ぬかしやがったな!寒いし!化け物だらけだったじゃねーか!!」
「ククク 小物でしたでしょう?」
「くっ!お前からみたらだろっ!くそーなんも言わねーから超軽装備で行っちまったぜ」
「まぁなんだかんだで、倒せてますし。こうして倶利伽羅も、手に入ったわけですからいいじゃないですかっ」
「ったくよくねぇよ!ほらよ。何に使うんだが…」
「何となく察しはついているでしょう?」
「……」
煙草を吹かす。
“倶利伽羅”を手にしたメフィスト
刀を見つめほくそ笑んだ…