第16章 捜索
『大きなこと…
そうね。メフィの言う通りかな。
ユリには新しい命が宿っていたわ。サタンとの…』
「ほう!それは面白いことになりました!父上の炎に耐性があることにも驚きましたが。まさか子供とは。ふふ、あははははこれは愉快!人間か、はたまた悪魔か…面白いことになりましたね」
目を見開いたメフィストは腹を抱えて大笑いしている。
『もし悪魔の力を引いていたらアッシャーでは普通には暮らせないかな?
あっ、でも、悪魔との間のこどもってアッシャーにも結構いるんだよね?だったらユリの子も普通に暮らせるかな』
ひとしきり笑い終えると、ちゃんと話しは聞こえていたようでメフィストは冷静に答えだした。
「ククク…失礼。
ふむ…まぁ、それだけなら暮らせるかも知れませんね?しかし、サタンの子です。もしも青い炎を受け継いでいたら?アッシャーでは危険因子ですね。」
ふぅーとため息をつく…
「しかも、青い炎を受け継いだとなると器になり得ると言うこと…これは即排除対象になるでしょうな」
『排除か…』
「まぁそのときはその時考えれば☆」
人差し指を立ててばっちりとウインクをして見せた。
陽気に話すメフィストとは違い、フールの表情は曇っている。
『悪魔だってだけで排除対象になる。メフィストだってこんなにも人間に協力しているのに未だに疑われることばっかりだし…
ありのまま…
自分として暮らして行けないんだと思ってね…
私も…産まれてくる子も』
「んー私はあまり気にしてないですが?フールは元々人間だったので、思うところもあるでしょう。」
上を向き顎に手を立て天井を仰ぎ飄々と答える。
『まぁメフィストなら気にしなそうだもんね』