第16章 捜索
音のする場所はどうやらユリの小屋の近くのようだ。
木々を抜けると獅郎が銃を構えスノーマンに向かって撃っていた。
「獅郎?」
『ダメっ!』
フールは叫んだ。
『この子達は何も悪いことはしてないわ!』
獅郎の腕を掴むが攻撃を止めようとしない。
「!?うるせぇユリを誑かしてるだろ。十分しでかしてるさ。」
「やめて!」
フールに掴まれた腕を振りほどきルナは地面に倒れた。
気にもせず銃撃を続ける。
「やめろっていってんだ!」
怒ったユリは青い炎に包まれ獅郎を睨み付ける。
「!なにっ!?」
『!?』
獅郎に向かって襲いかかるユリ。
獅郎は防御の体制をとる
が、攻撃が来ない。
掴みかかろうと伸びた手もそのままに立ち尽くし
「この人たちは大丈夫だから…」と呟いた。
青い炎は消えユリは意識を失いその場に倒れた…
「青い炎…!まさか!」
『…えぇ…魔神サタン…に間違い無いね…』
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獅朗はユリを小屋に連れ帰った。
部屋の奥にあるベットを見つけ横にした。
布団を掛けベットの端に腰をかけたフール
『私が目が覚めるまでこのまま付いているから、獅郎は少し休んできて…』
「………」
獅郎は黙ったユリを見つめている
『…ね?』
フールはそっと獅郎の手に触れもう一度獅郎に声をかけた。
やっと声が届いたのか返事をしてもらえた。
「…あぁ任せた」
火の付いてないたばこを咥え小屋の外に向かっていった。