第16章 捜索
『うわぁさむっ』
扉を開ければそこは白銀の世界。
冷たい空気は肌を刺すようだ。
辺りには人の気配はなく静まり返っていた。
どうやら、ここは町の外れのようだ。
とりあえずもう少し聞き込むとして町の中心に向かうことにした。
“ここまで見つからないとなると……
派遣された團員は皆人体発火に巻き込まれた可能性の方が高いよね…”
暗くなる気持ちを押さえて歩きだした。
中心地につくとさっきまでの静けさが嘘のように賑わっていた。
獅郎と別れて聞き込みを始めたが、あまり情報は得られなかった。
次はどうしようかと立ち止まり考えていると大きな籠を背負った老人に声をかけられた
「お嬢さん見かけない顔だね?どうしたんじゃ?」
『前に起きた人体発火についてちょっと調べていて』
「人体発火?あーそんな事件も確かにあったなぁ」
『あった?』
「うんうん。ここ1年はパッタリ治まってるよ」
“…もう起きてないの?…”
『なにか何かっ!その時期から周辺で変わったことは?
なにか些細なことでも…なんでもいいんですけど』
「んーあっそうじゃなぁ。あぁ1年くらい前?もっと最近だったかの?深い森の奥に魔女が住み始めたのは。」
「1回だけ会って話したことがあるよ?たまたま仕事でな、森の奥に行ってなぁ。実際どこに住んでいるかまではんからんが、でも間違いなくいる。女だな。」
『!?その女性の特徴とかなかった?髪が長いとか…』
「あぁ髪は長かったな。うーん。顔に何にほくろが多かったような?」
『!?ありがとうおじいさん!!』
「役に立てたようでなりよりじゃよ」