第15章 R・R
小鬼の群れは一段と数を増して團員たちに襲いかかる。
声を上げ剣を振り応戦する者……
「クソッ!数が多すぎる!」
指示を出す者…
「負傷者は後ろに下がれ!」
あたりには銃声も鳴り響く……
そんな激しい戦闘の中、ライトニングはバルコニーから外階段をポケットに手を入れたままゆっくりと降りて行く。
「不意打ちとはいえねぇー皆さんまぁいったん落ち着きなよ」
その場の状況とはかけはなれた雰囲気で話し出す。
戦闘中の何人かの團員があまりにもその場に似合わないのほほーんとしたライトニングの姿を"なんだ?こいつは?"という感じで確認していた。
そんな視線も気にもせず、上から良く見えていた噴水に近づき何かを確認したライニングは
「うん。この噴水ちょうどいいね。
ーーー"水の精(ウンディーネ)"ーーー」
「波よ打て…高く…」
勢い良く吹き出ていた水がピタリと止まると同時に水面の波紋も無くなった。
「…以下省略。」
「ウンディーネ」
水の精が現れ噴水にあった全ての水が高く浮かび上がった。
突然の出来事にあたりは一瞬静まりかえった。
水柱に気付いた小鬼たちはウンディーネに攻撃を仕掛けようと一斉に襲いかかる。
集まってきた小鬼たちを水柱は突然形を変え広がり全てを飲み込んでいく。
ゥギュー!!、、ギャ!、、、、
小鬼は鳴き声を上げ消えていく….
今までの戦闘が嘘のように静かになった。
何事もなかったようにライトニングはニコニコしながら立っていた。
「ありがとね。その噴水の水全部持ってっていいから♪」
ウンディーネに優しく言葉を掛けた。
ライニングにすり寄り嬉しそうなウンディーネ。
「すげーな…」
「だれだ?」
「あれが噂の召還師?」
「上級悪魔を、あんなに簡単従えるなんて…」
「ありえねー」
あれだけの戦闘を一瞬に納めてしまい團員たちは呆気にとられていた。
ライトニングの活躍によりあっという間に終息し、さらにはこの戦闘でさらに名を上げたのだった