第14章 A・A・A
『エンジェルさ…』
「君は特別、アーサーと呼んでもらってかわまわないぞ」
『そう?じゃあ遠慮なく♪
アーサー、私ばっかりといるけど大丈夫???』
「まぁ日本支部は何回も来ているから、今回の目的と言ったら君と仲良くなりたい、かな。」
『え??』
急に動きを止めフールの顔をじっと見つめるエンジェル。
「…………
…やはり視察の準備はそんなにも大変なのかい?」
『ん?』
「顔色があまり良さそうじゃない、何より肌が少し荒れているなっ」
アーサーがあまりにもフールにべったりとついて歩いていることを気にしていたメンバーたちは、
”!!!いきなり失礼じゃないかっ?”
と驚いている。
当の本人は特に気にもせずアーサーと話を続けていた。
『あぁ…昨日徹夜しちゃったからかなぁ?』
「そんなの事をしたら、せっかくの美しいさが台無しになってしまう!
もっと気を付けなければ!
いや??
徹夜で疲れていてもその美しさ…
一体君の万全の時はどれほどなんだ?!」
アーサーは一人に自問自答しながら頭を抱えている。
『えぇ?? そんな…ことないよ。』
その後もアーサーがフールの横にがっちり付いていた。
話がかみ合っているのかあっていないのか解らないが……。
しかし、合間合間に話をしていたおかげで人気のある二人はそれまで隙を見ては近づこうとしていた祓魔師たちは寄って来なかったのでその分お互いに楽だった。
メフィストがいないこと以外は特に問題も起きなかった。
『では本日はここで終了とさせていただきます。明日は自由行動なので街を楽しんでくださいね。
夜には親善パーティーを開きますので。お待ちしています。何かあれば支部のほうにご連絡を……。』
簡単に挨拶を済ませ今日は終了だ。