第14章 A・A・A
先程まで顔色の悪かった彼女に続きぞろぞろと部屋を出ていくのを確認し手元の書類に目を通した。
「やぁ。はじめまして。私は、アーサー・A・エンジェル。バチカン本部の上一級祓魔師だ。よろしく。」
いきなり声を掛けられ驚き顔を上げると、白い団服に身を包んだ男性が立っていた。
『っ!?っえぇ
こんにちわ。よろしくお願いしますね。』
ニコリと笑って挨拶を交わし、そのままエンジェルと名乗った彼とともに最後尾に続いて部屋を出た。
かなりの人数が集まり案内するのも一苦労。
初めて日本支部にやって来た祓魔師もいるから、適当な説明は出来ない。
『ここでは名誉騎士(キャンサー)である、メフィスト・フェレスによって中級以上の悪魔は入ってこれなくなっています。
ご存知のとおり、日本支部は正十字学園の地下に存在していますので、この上にある学園では安心安全に学業に励むことができるんですよ。
では、学園の方に移動しますか?』
学園に移動した一行は、学校のとは思えないほど豪華な食堂で休憩時間。
紅茶やコーヒー日本らしく緑茶や抹茶などが用意されている。
『ここでティータイムにしたいと思います。ここは食堂で、本日は学生がいなくて静かですが普段はとっても賑やかですよ。』
祓魔師たちは日本独特のお菓子や飲み物に、喜んでいる。少し離れた席に座り一息つく。
「おつかれさまです。フールさん。」
『ん。すっかり顔色もいいね。上手くいってるみたいで良かった。』
「はい。心配ありがとうございます。
やっぱり集まったのは上級で名の知れた方が多くて緊張はしますね…」
『そうだね。そんなに堅苦しいものじゃないし。大丈夫!
って言っても私も人前はやっぱり苦手~
…はぁ。
あー…メフィストは……
ん、いや…もぉいいや…』
今日の予定もあと少しで終わる、メフィストも表れないし、もう諦めた…
メンバーも同じ気持ちのようで、その後も他愛もない話をしながらお茶を楽しんでいた。