第14章 A・A・A
『本日はお集まりいただきありがとうございます。案内役を務めます。日本支部、支部長秘書フールです。………』
軽く頭を下げ挨拶、今日の案内などの説明を始めた。
”秘書?美人だな”
”初めて見る顔ですね”
”でもあれだろ?日本支部長ってったら…?”
”…。”
”そんな人の側近ならやっぱりすごく強いんだろうな……。”
集まった祓魔師がこそこそと噂をしている中
「彼女だ!!」
急に発された言葉に近くにいた祓魔師は肩を上げ驚いた。
特注の白い團服を来た金色の長髪の人物、アーサー・A・エンジェルは一人挨拶をしているルナに釘付けになっていた。
……数年前に藤本獅朗の聖騎士(パラディン)就任のとき見かけた女性。
あの時一目見た瞬間から彼女に心奪われた。
それから各地の任務で彼女が任務で一緒ではないのか気にしたり。
こっそりヴァチカン支部の祓魔師の名簿を探ってみたり現在の自分ができる範囲ではあったが、いろいろと手を尽くした。
しかしどんなに探っても彼女の情報は見つからなかった。
最近はあの時見かけたのは幻覚だったのではないか?とも思っていたくらいだ。
見つけた。
やっと見つけた…!
彼女は日本支部にいたのか……。
待てよ?
確かにあの時派手な男と話していたような…?
ふっ。
なんで気づかなかったのか?
この正十字騎士団の中にあんな派手な男はあのメフィスト・フェレスしかいないではないか。
それほどまでに私は彼女しか目に入っていなかったのか。少し考えればわかるではないか……
ははは……。
しかし!
そんなことはどうだっていい!!
今日!ようやく会えたんだならなっ!!!……
エンジェルはフールを見て一人不敵な笑みを浮かべていた。
……~『ということで、これからは簡単にですが日本支部をご案内させていただきます。彼女の後に続いてください。』