第14章 A・A・A
午後からは世界中からやってきた祓魔師を迎えることになっている。
視察に来るのはそれなりの階級の人ばかりなので鍵を持っているから皆、時間通りに集まるだろう。
それぞれの会場をセッティングし、今日の流れを確認。支部の中を行ったり来たりしている時も、メフィストを見なかった?と尋ねても誰も今日はまだ見ていないと。
あっという間に時間は過ぎ、午後になった。
集合時間まであと30分早い人はあと15分もしたら顔を出し始めるだろう。
「……フールさん、支部長は……どっどうしましょう?」
顔色を悪くして申し訳なさそうに尋ねてくる下位の女性祓魔師。時間が近づくにつれて、改めて集まるメンバーを認識した彼女はとても緊張してしまったのだろう。
『うーん。まだ来てないみたいね……?困ったね……』
こんな大事な日に今日は朝からメフィストが見当たらない。
メンバーの女性は話せば話すほど顔色が悪くなっていった。
『仕方ない、今日は私が進行するわ。大丈夫。もうちょっと力を抜いて。ねっ』
にっこりと笑って安心させる。
その一言で下位の祓魔師の表情は先ほどよりはましになっただろう。
ーーーーー
私の正体は秘密。
今までは記憶に残らないように各支部を転々としてきた。
人間と比べれば年も取らない私が目立たないように気を付けてきたのだが…。
なのに?
メフィがいなければ私が代役ってことも想像できるよね?
そもそも目立つなってメフィが言ってなかったけ??
この世界中から上級祓魔師が集まると言う今日の進行は目立たないわけがない。
肝心の日本支部のTOPがなぜいないのか?
朝から準備に追われ探している暇がなかったのもいけなかったのか??
いや、私は今日の予定もちゃんと伝えていたはずだよね……?
メフィ~!!!!どこいったのぉぉぉぉぉ!
ーーーーー
フールは心の中で叫んでいた。それから30分ほどたったころ、世界中から集まった上級祓魔師が部屋に集まった。
時間になってもやっぱりメフィストは来ない。
『……はぁ……』
頬を両手で軽く叩き気合いを入れ部屋の中央に立った。