第14章 A・A・A
南米でロイにあってから数か月。
フールは普段通りの生活をしていた。
しかし、過去の真実を目の当たりにし一人になると影を落とすようになっていた。
日々の秘書の仕事をする傍ら、過去に似たような事件が世界各地で起きていないかを密かに探す日々が続いていた。
『はぁ…目立った事件はないか…。』
窓の外を見ると辺りはうっすらと明るく鳥が囀り始めていた。
『あっ…またやっちゃったなぁ……』
夜があっという間に過ぎることも多くなっていた。
うっすら明るくなっていたはずの空はあっという間に太陽が昇った。
今日は快晴
朝は時間が過ぎるのが早い。
『わぁ…!もうこんな時間支度しなきゃ…今日はしっかりしなきゃ。』
夜にあった暗い気持ちを切り替えるよう顔を洗い気持ちを切り替えた。
今日は日本支部の秘書として特に重要な日だ。
毎年、世界中の支部を視察する行事がある。
世界の各支部から数人選ばれて集まり各国の文化に触れてお互いに理解を深める。
越境任務や留学にも繋がる外交見たいなもの。
そう、今年は日本支部の番なのだ。
まぁ、視察、外交と難しい言葉が並べられているが実際は観光してお互いの近況など話したりする親睦会みたいなものだからそんなに構えなくても良いものだ。
フールは身支度をすませ執務室に向かった。
ドアをノックし返事を待たず扉を開けた。
『おはよう……あれ?いない?』
部屋に入ったがメフィストの姿はなかった。
メフィストの事だからひょっこり現れるだろう。
「おはようございます。あれ?支部長は??」
『まだ来てないみたい。…まぁ居ても準備はしないとと思うし?さぁ始めますか』
メフィストの事は特に気にもせず、今日のために組まれた下位の祓魔師(エクソシスト)たち数人。
新人ともいえるメンバーには、この視察はいい経験になるだろう。