第13章 旅行
メフィストの無限の鍵を使い、日本に帰国
話を聞いてくると言ってマリアの所に行って戻ってこないフールの様子を見に来たメフィストが目にしたのは床に血を流して倒れるマリアとその前で佇んでいるフールだった。
『メフィ…あのね、ロイ兄さんが……生きてた…』
その一言だけ告げると黙り混んでしまった。
メフィストは察する。
黒幕がフールの幼馴染みだと…
その後のフールは何もなかったように業務をこなし帰国した後はすぐに部屋に籠ってしまった。
シャワーを浴びるフール。
落ちてくる水滴が雨のように強く体を打ち付ける。
『兄さんが…黒幕…あの日…
……兄さんがみんなを殺した…?
………なっん…で……』
声を殺して泣く。
濡れた髪のままガウン姿で窓の外を眺めぼーっと佇んでいる。
扉を、ノックする音がする。
ノックが止んでから間をおいてガチャリと扉が開いた。
中に入ってくる気配はさ安心感に包まれる気がした。
外を眺めついるフールを後ろから抱き寄せられた。
『…メフィ…兄さん、
いえ、
ロイがこれからなにかを起こす準備をしてるって。
また、私に会いに来ると…』
「……そういうことでしたか…」
沈黙が起きる。
何を企んでいるのか…がわからない。
頭の中がぐちゃぐちゃだ。
混乱しているフールを余所にメフィストは後ろから頬に伝う涙のあとを舐めとる。
「わからない事を考えても仕方がないですよ。
今は黒幕が解ったということで目的はまたゆっくり探りましょう。」
コクっと頷いた。