第13章 旅行
肝心なことが何一つ解らずフール感情的になり怒りが露わになる。
目が深紅に変わり、胸倉を掴みかかった。
『知っていることをすべて話しなさい。さもないと死んだほうがましと思えるようなことが貴女を待っているわよ』
「ひぃっ」
美しく光る瞳は今まで感じたこともない恐怖を与えた。
マリアは恐怖に身を震わせ声も出ない。
「あっ…ぁ…」
睨み、口を開くのを待っているとマリアの後ろに人影が現れた。
「マリア。しゃべりすぎだ。使えると思っていたが…
無駄だったな。」
ドスッ。
マリアが倒れる。
!!?
『なに?!』
血を流し床にぐずれ落ちたマリア。
マリアの立っていた場所にはマントを被った人物が立っていた。
「…っ…」
その人物を見上げ一筋涙を流し息絶えた。
『おまえ…』
深く被ったマントの人物はフールのほうを見た。
マントによって殆ど顔が隠れ認識ができない。
その人物が動いたそのとき目が合った。
ーえっ!?ー
「ふっ。久しぶりだなぁ。こんなところにいたなんて。フール…会いたかったよ。」
そっとフールの頬に手を添えた。
フールは金縛りにあったように動けなかった。
―――あの時、死んだはずじゃ――
――なんで??―――
「もう少し話していたいが、まだその時じゃない。
また改めて会うときが来るだろう…
なぁフール…」
一言いうとその人は姿を消した。
『…………うそ…?』
ーなんで??ー
ーなんで生きてるの?ー
『……ロイ…』
フールはその場に佇んだ。