第3章 契約
「おや?ここはどこだ?なぜ私がこんなところに……」
其処には道化師のような姿をした男性が立っていた。
男は辺りを見回し、足下の魔法円を見つけた。
「…これはっ!?」
状況を把握したようだ。
男は私を睨んだ。
「………貴女が私を召喚した、ということですか?…」
『はぃ…そうです…私はフールと言います。あなたは?…悪魔ですよね?』
男は私の話を聞いていないのか、一人で何やら呟いている。
「まさか………。この私を召喚ですか…そうですか…………」
「ふふっ……、あはっあははは!面白い!こんなにも幼い子にそんな力があるとは!」
大きな声を出してお腹を抱え爆笑している。
その男は急に真顔になり私に向かってゆっくりと近寄って来た。
その迫力に押され後退りしていると壁に追い詰められてしまった。
そして、顔の横にそっと片手を付きもう片方の手で顎を捕まれ顔を近付けてきた。
私は思わずグッと目を閉じた。
クックックッと笑いを堪えるような声がしたので顔をあげてみる。