第13章 旅行
村人たちの移動を終えフジモトがマリアに声をかけた。
「ちょっといいか??」
「ええ?」
外に面している扉に向かい進みだすと村の司祭が慌てて声をかけてきた。
「待ってください!あなたたちが行ってしまったら…また屍に襲われるかもしれないので…」
口に火の点いてないタバコを咥え冷たく答えた。
「あぁ……ヨハンを残していくさ」
あまり納得のしていない様子の司祭だったがフジモトの冷たい視線に何も言い返せなかった。
「わ…わかった…なるべく早く戻ってきてください」
集団に戻っていった…。
二人は扉をくぐり外に出た。
咥えていたタバコに、火を点けながらマリアに質問をした。
「お前の車に予備のタイヤは??」
いきなり、何を言うのかと一瞬、眉間にシワを寄せたが、思い出した様子で答えた。
「たしか、予備はタイヤ二つ積んでるあるはず…」
「お前の車は幸運にも前と後ろの二つが切られていただけだ。」
目も合わせず前を向いたまま淡々と言いはなった。
「っ!?…そっそう……慌ててたのかしら?でもっ良かったわ!!これで助けを呼びに行ける!」
「……」
自分から話をふったにも関わらずフジモトは無言だった。
主聖堂に着きまっすぐ祭壇横の地下階段に向かう。
「そこは修繕中で入れないわよ?」
焦った様子でフジモトを止めた。
「平気平気。」
注意されているのにもき気を留めず侵入を防ぐためのロープを跨ぎなかに入った。
薄暗い階段を下り扉の前まで来るとフジモトは鍵を取り出し鍵を開けた。
「え?」
マリアなぜ鍵を持っているかわからなかった。