第13章 旅行
「これはフールに関係することで…村の至るところにキャンドルがありました…
これはマリアの件と繋がっているか、
たまたま…
…そう偶然に起きているのかまだわからいませんが」
フジモトはフールに目線をやる。
猫の姿でもその表情が難いのが見てとれる。
「どういうことだ??」
「フールが言うには…似ているんですよ。フールが悪魔になったあの日の状況に。小さな町、大量の屍とキャンドル……まぁーこれはあくまでも推測なんで、まだはっきりはわかりません」
外国人のように大げさに両手を上げ首を振っていかにもわからないという大げさなジェスチャーをする。
そのままフジモトとメフィストはお互いの現状確認を続けた。
話している二人を尻目に、フールはスッと立ち上がり長椅子から飛び降りそのままマリアの方へ歩いていった。
なにやらマリアはこちらの様子が気になるのか先程からチラチラとこちらの話を探っているようだ。
そんなマリアはここの子どもに好かれているようで、近くには子どもがいた。
"わーシスター!後ろ!かわいいネコちゃんがいる~ねぇシスター"
”にゃ~”
"触っていいのかなぁ?"
恐る恐る手を出した子どもにフールは自らすり寄った。
”可愛いねっ”
”ええ…”
マリアはぎこちない笑みを浮かべた。
ヨハンはチラッと目線だけを声をする方へ送る。
「おっと彼女も、こちらが気になっていたようですね。フールも行動が早い。」
「みてぇだな。そろそろあいつも動き出すか?」
「どうですかね?」
二人は視線でマリアとフールの動きを確認し、話を終えた。
ヨハンはその後もいつものように自由に動き回っている。
マリアが子どもとトイレに行くと声をかけきて、部屋から出て行った。
フールもその後に付いて行くようだ。
"怖いから、ネコちゃんもシスターと一緒にいこうね"
"にゃ~"