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【青の祓魔師】悪魔に落ちた瞳

第13章 旅行 



「ほう。刺青の陣があった?」

『うん…』


俯いたまま佇み腕を組んで考え出す。


誰も知らない信仰…。

屍の同時発生…、

家と墓にあったキャンドル…


一体あのキャンドルは何なんだろうか?


彼女がコトを起こす準備としてここは都合が良かったのだろう。

『一人でやっていることなのか、
もしくは仲間がいてもおかしくないかも…?


一人一人屍を作る方法が違うと…か……』



フールの心を大きくかき乱していった。

『…もし…あれが誰かの仕業で……


…同じことが繰り返されるとしたら…?』


組んでいた腕で自身をギリッと音をたてるほどに強く握りしめた。
爪が食い込み今にも血が流れそうなほどに…

『もう2度とあんな…

……あんな事は……起きてはいけない……

もし手がかりがあるのなら、2度と…私が起こさせない!』

更に手に力が込められスーっと腕を血が伝う。

悲しみと怒り満ちた瞳は深紅に光りだした。





「フール…今は私がいますよ。一人で抱え込まないでください。私が貴女のそばにいますから…」

考え込んでいてメフィストが近づいて来たことに気づかなかった…。

メフィストは強く握りしめているフールの手をほどいた。

『メフィスト…』

「はぁ…こんなに力を入れて…」


血の伝った腕を愛しそうに見つめ顔を近づけ滴る血に舌を這わし傷口に吸い付くように血を拭う。

「貴女の血は美味しいですが…

自分で傷を付けるのはやめてください…

……


もしかしたら貴女の勘違いかもしれませんよ?でも、しっかりとこの事は見極めないといけませんね。

貴女のために…」

腕から視線を上げたメフィストの目は妖艶な光を灯していた。

「貴女を傷つけ、癒す事が許されるのは私だけ。貴女が悪魔になったあの日から主従は替わり貴女は私のものなんですから…」


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