第13章 旅行
処置を初めて手伝うこともなくマリアはヨハンに、近づいてきた。
ヨハンは聖堂内を暇を持て余しているようで教会を眺めながらウロウロしていた。
「あなた、武術は?」
「ご冗談を。私は平和主義者ですから。」
「銃とか?」
「使いません」
ヨハンの答えにマリアは何やら考え込んでいるようだ。
「…… あ
…あなたの猫、フールだったかしら。使役?」
「まさか、普通の気まぐれで可愛いペットですよ☆」
祭壇の前まで進むとその横に地下へ続くの階段があった。おそらくそこはカタコンベ(地下墓地)であろう。
しかし中には入れないようにロープが張ってある。
「こそは修復中だってここの司祭様が言っていたわ。」
「そうですか、中に入れなくて残念ですね。」
ロープを潜り抜けてフールがやってきた。
「おや??貴女は下に降りてたんですか。教会内の散策は満足しましたか?」
”にゃー”
ヨハンの足元に尻尾を高く上げすり寄り戻ってきたフール。
「さて、、私もこの美しい聖堂をゆっくり眺めていたいのですが、私は外を見てきます。あとで先輩にどやされても嫌なので。」
「一人で大丈夫なの?」
「心配には及びませんよ。シスター。」
ヨハンは行きますよと飼い猫に声をかけ外へ出て行った。
外に出て結界近くまでたどり着く。
「香水の香りで誤魔化しているようですが、彼女には死臭がこびりついてますね。あれで隠してるつもりなんですかね?藤本の色恋沙汰じゃなったのが残念ですが」
『もぉ面白くなくなった?』
「まさか!別の楽しみはありそうですよ。」
『そうね、さっきの地下。鍵がかかっていては入れなかったけど、なにかあるのは間違いないよ』
「さて。彼女が本当はどんな目的があってこの村に来ているんでしょうか。裏を探ってみますか☆」